歩み
2005年10月 発症3時間以内の脳梗塞に対する血栓溶解療法(tPA静注療法)が認可されました。このため脳卒中患者を直ちにtPA静注可能な施設に搬送するシステム作りが必要となり、
2006年 1月 川崎市北部医療圏を中心にバイパス搬送システムの試用を開始
救急隊による脳卒中か否かの判定にはCincinnati Prehospital Stroke Scale(CPSS)が世界で広く利用されていました
適正搬送には重症度を加味した判断が必要との議論から,CPSSを一部改変したMaria prehospital stroke scale(MPSS)を作成し,
MPSSスコアに連動したバイパス搬送手順を作成し、試用を開始しました
1年間の試用実績から市内の脳卒中患者搬送システムとして使用可能と判断しました。
2007年2月 市内でtPA静注療法を行う
8施設が集まり,川崎脳卒中ネットワーク(KSN)を形成.
市消防局と圏域内の搬送について協議を重ね,以下を合意。
①参加施設は救急隊の要請にこたえるホットラインなどを整備する,
②各施設のtPA静注療法受け入れ可能の有無を日別にまとめ,毎月救急隊に伝達する,
③救急隊のトリアージにはMPSSを用い,この値に基づいたバイパス搬送を行う,
④MPSS搬送事案に関する確定診断,治療内容等のデータを救急隊と共有し,半期ごとに事後検証作業を行う
以降、川崎市全域の脳卒中救急搬送と急性期治療のQuality評価を継続し、2017年の参加施設は13施設となった。
2019年4月 より 川崎市病院協会の部会となり、本会の目的達成に向けた活動継続の強化が図られることとなった。
2022年4月 より 川崎市MC協議会と共に、主幹脳動脈閉塞(Large vessel occlusion, LVO)例に対する機械的血栓回収療法適応例を考慮した新たな病院前搬送方法の確立に向けた検討を開始した。
2024年4月 より聖マリアンナ医科大学東横病院の閉院に伴い、KSN参加施設数は13施設から12施設となった。救急隊による主幹脳動脈閉塞(Large vessel occlusion, LVO)評価に基づく病院選定と搬送が開始された。