マリア病院前脳卒中スケール(Maria Prehospital Stroke Scale;MPSS)は,シンシナティ病院前脳卒中スケール(CPSS)の診断精度を温存しつつも地域に存在する多彩な脳卒中医療資源を効率よく利用するツールとして開発された病院前脳卒中トリアージスケールです(表1). MPSS は脳卒中診断スケールというだけでなく,重症度やスコア毎の診断精度を明らかにして、t-PA 静注療法のためのバイパス搬送フローチャート(図1),カレンダー方式による t-PA 施行施設選定方法と連動して使用されています。 救急要請を受けた救急隊員が現場で脳卒中であると評価(MPSS≧1)することにより、脳卒中患者の圏外搬送の有無、搬送患者の診断治療の適否など、事後検証作業を行うことが可能となることから、救急隊と脳卒中受け入れ病院が継続的に事後検証作業を繰り返し行って、地域の脳卒中救急医療の質の向上に利用されています。
発足当初に事後検証に使用された項目は以下の通りで、エクセルベースで登録されました。